心臓血管外科
1998年から心臓手術の準備を進めて、
1999年5月に最初の心臓手術を行いました。
2006年からは心臓血管外科として独立開設し、地域における拠点病院との認識のもと、手術の必要な方を早期に発見し、地域で高度な手術ができるようになり、症例数が増加しています。
病棟の心臓手術後の急性期管理もレベルが一段と向上し、早期回復に向けて成果を出しつつあります。
当院は、救急告示病院として地域の救急医療拠点の一翼を担っており、心臓血管外科としても、循環器内科をはじめ他科と密に協力し、救急医療に貢献できるよう努めております。
外来診療のご案内
当科の外来担当表をご案内しています。
下記の表をご参照の上、時間に余裕を持ってご来院ください。
外来担当表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 | |||||||
午後 |
主な診療内容・検査設備
心臓手術
心臓弁膜症に対する弁形成術、弁置換術、また、虚血性心疾患に対するバイパス手術など、
現在の医療の主流となる治療を導入して対応しています。
大血管手術
胸部大動脈瘤や腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術に加え腹部大動脈瘤に対しては
ステントグラフト治療を導入し低侵襲に心がけています。
末梢血管治療

末梢血管疾患に対しては、従来の外科手術による治療に血管内手術を加え以前より低侵襲に治療を行うように努めていいます。
末梢動脈疾患へはバイパス手術、カテーテル治療、両者を組み合わせたハイブリッド治療に取り組んでいます。
末梢静脈疾患は代表的疾患が下肢静脈瘤ですが、従来より行ってきた静脈瘤抜去手術に加え2011年からはレーザー焼灼術を導入しています。
下肢静脈瘤レーザー治療
下肢静脈瘤とは?
下肢静脈には筋肉の中を走る「深部静脈」と皮膚と筋肉の間を走る「表在静脈」があり、
静脈瘤ができるのは皮膚に近い伏在静脈と呼ばれる表在静脈です。
下肢の静脈には血液が重力によって足先へ逆流しないように弁がついていますが、それら
の弁が壊れると血液の逆流が起こり、うっ血が生じて血管の拡張や蛇行することによりコブ
ができます。これが下肢静脈瘤です。


こんな症状があったら下肢静脈瘤かも・・・
- ■ 足の静脈がコブ状になり、だるい・重い・疲れる・ほてる
- ■ 歩行時もしくは就寝中に、こむら返り(足がつる)を起こすことがある
- ■ かゆみ・皮膚硬結・皮膚炎や湿疹がある
- ■ 皮膚が黒くなる・潰瘍ができている
下肢静脈瘤が発生しやすい方の特徴
- ■ 女性に多く見られます
- ■ 加齢と共に静脈瘤発生の頻度が増加します
- ■ 妊娠・出産をきっかけに発生しやすくなっています
- ■ 美容師、調理師など長時間の立ち仕事の方に多く見られます
- ■ 親族に静脈瘤がある場合に発生頻度が高くなります
下肢静脈瘤は早めの予防と治療が大切です!
初期症状は軽いですが、放置しておくと湿疹や色素沈着などの皮膚炎を起こし、最悪の
場合は皮膚に潰瘍ができて穴があいてしまうこともあります。
一旦発症すると治りにくく、加齢とともに症状は進行、悪化します。
まずは医師にご相談ください。
治療の特徴
- ■ 手術部位の創がほとんど残りません。
- ■ 局所麻酔、TLA麻酔(※1)で施行可能なため、治療後すぐに歩けます。
- ■ 再発率(※2)が少ない治療法です。
※1 TLA(Tumescent local anesthesia): 通常の麻酔と違い濃度が薄いため、大量に使って広範囲に麻酔をすることが可能です。
※2 閉塞率は多くの臨床研究で90%〜100%と報告されています。
治療について

治療にはさまざまな方法がありますが、近年レーザーでの治療が一般的になってきています。
当社ELVeSレーザーは、日本で初めて厚生労働省より承認された「下肢静脈瘤血管内レーザー装置」です。
ELVeSレーザーは下肢静脈瘤(一次性下肢静脈瘤)治療用レーザーとして、より身体に負担が少なく安全に手術が行なえ、世界中で、年間10万例以上の患者さんに施行されています。
ELVeSレーザーによる治療が適応となるのは、大伏在静脈または小伏在静脈の弁がこわれて逆流がある場合です。超音波診断装置(静脈エコー)等にて逆流状態を検査し、さらに症状等を加味したうえで医師により判断されます。

■ 治療方法
静脈に光ファイバーというレーザー光を通す細い管を入れ、その先端からレーザー光を照射して、発生した熱により静脈を内側から閉塞させる治療(血管内レーザー治療といいます)です。
■ 血管内レーザー治療+付加治療
(静脈瘤切除術等)

よくある質問
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大伏在静脈または小伏在静脈の弁がこわれて逆流がある場合です。超音波診断装置(静脈エコー)等にて逆流状態を検査し、さらに症状等を加味したうえで医師により判断されます。 |
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治療する太ももの静脈が極度に曲がりくねっている方や皮膚に近い方。 深部静脈血栓症の既往がある方や血液凝固異常の方。 その他医師が適当ではないと判断された方。 |
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治療時間は片足約1時間程度です。 麻酔方法により異なりますが、一泊入院で手術を施行しています。 手術後約1ヶ月は治療部位に治療用弾性ストッキングの着用が必要です。 |
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はい。 ELVeSレーザーによる下肢静脈瘤治療は平成23年1月より健康保険による診療が認められています。 |
※ Integral Corporation http://www.varixlaser.jp/ より引用
スタッフ紹介
津田 晃洋(院長代行)
佐藤 晃一(心臓血管外科部長)
診療実績(年間):2012年(平成24年)度
冠動脈、大動脈バイパス移植術: 4件
弁形成術: 3件
弁置換術: 4件
大動脈瘤切除術: 1件
ステントグラフト内挿術: 3件
冠動静脈瘻開胸的遮断術: 1件
メイズ手術: 1件
ペースメーカー移植術: 5件
ペースメーカー交換術: 3件
内シャント設置術: 20件
血管移植術、バイパス移植術: 6件
血管拡張術・血栓除去術: 6件
動脈形成術、吻合術: 2件
血管塞栓術: 1件
血管吻合術: 1件
血管縫合術: 1件
血管結紮術: 3件
下肢静脈瘤-抜去切除: 41件
大伏在静脈抜去術: 13件
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術: 61件
胸腔鏡下交感神経節切除術: 2件
胸腔内(胸膜内)血腫除去術: 1件
四肢切断術: 7件
下大静脈フィルター留置: 1件